彫金とは、タガネを用いてプラチナ・金・銀・銅・真鍮・鉄・アルミ・錫などの金属を彫ることを言います。
主にジュエリーやアクセサリーといった装飾品、仏具や家具に施される飾り金具を製作するための技術です。
もともとは鋼でできた専用の工具「タガネ」で金属の表面に彫刻を施す技法の事を言っていました。
繊細でまるで筆で書いたかのような質感を金属の表面に彫り上げることでその美しさは表現されます。
古くは仏壇などの仏具から銅でつくられた花瓶の表面にも施されました。
この日本に昔から伝わる伝統的な技術は特に「和彫り」といわれることもあります。
しかし近年ではアクセサリー製作における技法全般のことを指すようになり、彫金・鍛金・鋳金などを含む広義の言葉になってきています。
そして熟練した技によって工芸品やアクセサリーを作る職人を彫金師と呼ぶようになりました。
作品を作り上げるには様々な技法があるので、熟練した一人前の職人になるために相当の年月を必要とします。
ジュエリー・アクセサリーなどの工芸品を生み出す元となる板金から材料を糸鋸や金切り鋏と呼ばれる道具で切り出し、タガネで彫刻したりヤスリがけを行ったりして装飾を施していき、時にロウと呼ばれるものを使い部品同士を溶接したりして、形状を作りあげていきます。
最後に金属の表面を磨き仕上げ完成させます。
このように昔から大きく変遷をたどってきてはいますが、その技術は日本が誇るべきものと言えます。